[ブックメモ]
 『最強将棋道場』ツッコミページ
 ツッコミどころ満載!
 楽しい将棋雑誌の紹介!
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『最強将棋道場』ツッコミページ (2005/04/22)
小学生のための将棋上達マガジンと銘打たれたこの雑誌。渡辺竜王の日記で存在を知って立ち読みしようと思ったのですが、各棋士につけられたキャッチフレーズのあまりのおかしさに笑いが止まらず、やむなく購入した一品。小学生向けに楽しい雑誌にしようとしたが、微妙に空振った感じが絶妙。せっかくなので、みなさんにもその一端をご紹介。
※念のため、全体としてはマジメなしっかりとした雑誌だということを先にお断わりしておきます。

●しょっぱなから危険な香りがします
いきなり数ページめくると見開きで将棋のトッププロ四人が出てきます。表題に「7つの玉を奪い合う!! 将棋四天王バトル!!」なぞと書いてあります。おそらくドラゴンボールをイメージさせているのでしょう。それぞれのタイトルが一つの玉として扱われています。すると願いを叶えられたのは羽生さん一人か。
そしてこの玉は、力強く美しい将棋を見たい、という日本国民の欲望を託したものらしいです。それを最強棋士たちに奪い合わせるらしいですよ。間違っちゃいない気もしますが、あまりにも壮大です。

●お待たせしました! 棋士のキャッチフレーズ紹介!
まずは四天王からです。さすがに四天王に対しては手が抜けないのかまともです。
「鋼の戦術師」森内俊之
元ネタはおそらく「鋼の錬金術師」でしょう。鉄壁の受けからそれっぽい名前を選んだんでしょう。

「盤上の熱き格闘家」佐藤康光
「殴り合い」のような攻め合いを見せるからだそうです。風貌からは熱さや格闘家っぽさは感じません。

「進化する航海士」羽生善治
自信はないですが、おそらく「ワンピース」あたりを意識しているのではないかと。棋界のトップ(この書籍が出た頃は森内さんでしたが、過去の実績を考えるとトップは羽生さんというイメージが常にあります)に当てはめるキャッチがマンガ界トップの作品であることに異存なし。ただし、「ワンピース」の主人公である「ルフィ」は航海士ではありません。

「光速の芸術家」谷川浩司
谷川さんはもとから「光速の寄せ」があるから何かに頼らなくても十分カッコいいキャッチが付けられます。「実」と合ったナンバーワンキャッチはこれ。
さて、続いて残りのA級棋士(発売当時)のキャッチフレーズを見ていきましょう。ここから途端に杜撰なキャッチフレーズになります。
「将棋界随一のマッチョマン」丸山忠久
四天王のキャッチが棋風を表わそうとしていたのに対し、途端に見た目のキャッチになっています。そんなキャッチを付けられても丸山さんも困ってしまいます。

「山ごもりの仙人棋士」三浦弘之
三浦さんて「仙人」て呼ばれてるんですか? 将棋ファン歴浅いので、聞いたことないです。研究家であるのは知ってますが「山ごもり」って。大体羽生世代と比べると年齢的にも少し若いのに、「仙人」てのもおかしな話です。

「振り飛車一筋の念力男」鈴木大介
「振り飛車一筋」はわかります。しかし「念力男」って、そもそもそんな男います? 世界ビックリ人間大賞のキャッチじゃないんですから。しかも将棋ってどこで「念力」使うんでしょう。手を使わずに駒を動かすとか?

「藤井システムの発明家」藤井猛
はい、そうですね。藤井さんが発明したから藤井システムですね。もはやキャッチフレーズでもなんでもありません。

「イケメン最強伝説」久保利明
スゴイ伝説が生まれました。しかも最強と言いつつ久保さんはまだタイトルを取っていません。さらに久保さん自体は割とカッコイイ人だと思うけど、掲載されている写真はお世辞にもイケメンとは言えません。棋士全般に言えることだと思うのですが、人気商売なんですから、もう少し写真写りとか気にした方がいいです。

「切れ味自慢のダンディ」深浦康市
「ダンディ」ってキャッチフレーズをつけられた人は他にいるでしょうか。外国の名優を「オッサン」と呼ぶのがはばかられた時ぐらいしか使いようがないのに、なぜよりによって「ダンディ」。「切れ味」も微妙にわかりませんが、まあ、割と誰につけてもよさげな逃げキャッチ。

「『地道タカミチ』の実力派」高橋道雄
もはや何言ってるのかわかりません。編集者の眠そうなキリのかかった頭の中を垣間見た気分です。
番外として若手棋士二人が紹介されています。ここまで来るとキャッチフレーズを考えるのをほぼ放棄しています。
「東のヤング魔王」渡辺明
若手紹介のコーナーで「ヤング」という言葉を使うあたり、○○魔王の「○○」部分が思いつかなかったんだろうな、と思わせます。

「西の将棋王子」山崎隆之
棋士のキャッチフレーズに「将棋」という言葉を使うあたり、○○王子の「○○」部分が思いつかなかったんだろうな、と思わせます。
最後に女流棋士二人のキャッチフレーズです。まあ、まともかな。
「元祖ワンダーウーマン」中井広恵

「棋界の清少納言」清水市代
●感心したこと
最後にこの雑誌を読んでいて妙に感心したことなどを挙げておきます。
「好きな言葉」
四天王と王子しかこの欄はないのですが、航海士と王子の言葉がなかなか感心。普段言っている好きな言葉とどうも違うのです。きっと小学生向けに考えたのでしょう。
航海士(羽生さん)「運命は勇者に微笑む」:勇者なぞ小学生が好きそうではありませんか。さすがに棋界トップは違います。
王子(山崎さん)「一発逆転」:実にわかりやすい。
魔王の「好きなテレビ」
魔王は「好きな言葉」の欄をなくしてまで、「好きなテレビ」という欄にしています。小学生向けに考えているのかな、と思いつつ好きなテレビが「あいのり」なあたり、自己顕示欲の強さを感じます。
航海士の「弱点」
航海士の「弱点」は「ねぐせ」だそうです。あれは弱点というよりはトレードマークですよね。弱点がないんだなぁと再確認しました。

購買を決意させたのはキャッチフレーズのバカバカしさでしたが、全体としてはマジメないい雑誌です。四天王のインタビューとか解説がたくさん載っていて楽しいので、四天王ファンの方は買って損がないと思います。


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